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monthly bookreview ranking

今月の1位は、『絶望図書館』や『絶望書店』でお馴染みの頭木弘樹によるアンソロジー『ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語』(毎日新聞出版)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2021年3月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2021年3月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

 

1位
ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語
書籍:ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語
(頭木弘樹/毎日新聞出版)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:40
書評掲載日:2021-03-12 05:36:44
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/294995/review/258685/
 

ところであなたは好きなものから食べる派?それとも最後までとっておく派?(以下敬称略でお届けします。)

突然ですが、あなたは好きなものから食べる派?それとも最後までとっておく派?
私は好きなものは一番最後までとっておく派!
けれども長年の経験から、この方法だと、最後のお楽しみにたどり着くまでに、お腹いっぱいになってしまって、肝心要とっておきの一口のおいしさが半減してしまう危険があることも悟っているので、まず最初に二番目に好きなものを食べることにしていたりする。……続きを読む

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2位
奥のほそ道
書籍:奥のほそ道
(リチャード・フラナガン/白水社)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:37
書評掲載日:2021-03-10 16:28:53
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/265276/review/259092/
 

戦争とは。愛とは。そして、人間とは……。読み終えて、つきつけられる問いの重さに、ただ、茫然と立ちすくんだ。

泰緬連接鉄道、所謂「泰緬鉄道」は、太平洋戦争のさなか、日本軍がインド方面作戦を成功させるべく、ビルマ戦線への物資輸送を目的に、タイ(泰)側の起点ノンプラドックとビルマ(緬甸)側の起点タンビュザヤを結んで建設した全長四百十五キロメートルの単線の軍用鉄道である。1942年7月に着工し、一年三か月後の1943年10月に開通した。(「訳者あとがき」より)。……続きを読む

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3位
山と獣と肉と皮
書籍:山と獣と肉と皮
(繁延あづさ/亜紀書房)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:32
書評掲載日:2021-03-12 11:50:03
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/294320/review/259145/

「絶対、おいしく食べてやる」

著者は写真家。出産に関わる写真をライフワークとしている。
東日本大震災を1つの契機として、それまで住んでいた東京から縁もゆかりもない長崎へと移り住む。そこで猟師の「おじさん」と知り合い、肉を分けてもらうようになる。そうこうするうち、狩猟の現場にも連れて行ってもらえることになった。……続きを読む

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3位
炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
書籍:炎の中の図書館 110万冊を焼いた大火
(スーザン・オーリアン/早川書房)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:32
書評掲載日:2021-03-06 07:02:11
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/285761/review/258334/

ロサンゼルス中央図書館が大火に包まれた。犠牲になった本は110万冊だった。

ロサンゼルス中央図書館が(おそらく放火により)大火に包まれた。火と(消火の)水の犠牲になった本は110万冊だった。
この話を聞いたとき、著者は、なぜ自分はその話を今まで知らなかったのだろう、と思ったという。知らなかったのも無理はない。……続きを読む

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5位
一盌をどうぞ
書籍:一盌をどうぞ
(千玄室/ミネルヴァ書房)
レビュアー:休蔵さん 得票数:31
書評掲載日:2021-03-01 11:01:01
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/295905/review/258167/

裏千家の15代目宗室である著者の一代記。彼の生きざまを知ること以上に感じ入るものがある1冊だった。

 誰もが長い血脈を経て現世に生きている。
 しかし、誰もが首肯する伝統文化を背負う家柄というものがあり、それを受け継いだ者もおり、余人には計り知れない労苦を引き受けている。
 本書の著者は裏千家の15代宗室であり、大正、昭和、平成、そして令和を生きている。
 本書はその人生を振り返った1冊である。……続きを読む

 

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5位
江戸の骨は語る――甦った宣教師シドッチのDNA
書籍:江戸の骨は語る――甦った宣教師シドッチのDNA
(篠田謙一/岩波書店)
レビュアー:DBさん 得票数:31
書評掲載日:2021-03-03 18:57:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/296329/review/258594/

三百年前の人骨鑑定の本

人の顔に頭蓋骨のトレースが透けて見える印象的なスケッチですが、これがあの太宰治の『晩年』にも登場する宣教師シドッチです。
太宰の作品のなかでは「宣教師シロオテ」となっていたが、江戸中期に日本へ布教のために渡航したシチリア生まれの宣教師だ。……続きを読む

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7位
ドクター・スリープ 上下巻セット
書籍:ドクター・スリープ 上下巻セット
(スティーヴン・キング、白石朗/)
レビュアー:darklyさん 得票数:29
書評掲載日:2021-03-27 09:53:05
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/296956/review/259731/

「シャイニング」の続編。エンターテイメント性の中にもキングらしい味が散りばめられ、続編というイメージに捉われていた私には、意表を突かれながらもとても楽しめました。小説も映画も是非「シャイニング」から。

この物語は幽霊屋敷物の傑作「シャイニング」の続編にあたります。とはいえ、主人公のダン(シャイニングではダニー)以外は「オーバールックホテル」での惨劇にまつわる人物や悪霊は、もちろん続編ですので絡んではきますが、話の主軸ではありません。ダンが巻き込まれる新たな悪夢というべき物語といえます。 ……続きを読む

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7位
風よ あらしよ
書籍:風よ あらしよ
(村山由佳/集英社)
レビュアー:Kuraraさん 得票数:29
書評掲載日:2021-03-02 21:14:23
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/296437/review/258763/

第55回吉川英治文学賞を受賞!大作です!

伊藤野枝。この名前を目にするたびに、あの白黒でザラっとした粗い画質の写真と、いつもどこかをまっすぐ見つめている彼女の表情を思い出す。……続きを読む

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9位

書籍:大使たち〈上〉
(ヘンリージェイムズ/岩波書店)
レビュアー:星落秋風五丈原さん 得票数:28
書評掲載日:2021-03-03 07:52:47
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/39141/review/256373/

失敗した大使そのいち

 大使たち、と聞くとすわ冷戦時代にスマイリーよろしく国際舞台を股にかけたプロフェッショナルたちの活躍を描いた作品?と思うが、実際の所は別の訳書『使者たち』の題名の方が、実際の彼等の果たした役割に近い。 ……続きを読む

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9位
なぜ人類のIQは上がり続けているのか? --人種、性別、老化と知能指数
書籍:なぜ人類のIQは上がり続けているのか? –人種、性別、老化と知能指数
(ジェームズ・R・フリン、水田賢政/太田出版)
レビュアー:三毛ネコさん 得票数:28
書評掲載日:2021-03-20 09:24:59
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/296834/review/259484/

人類のIQが上がっているという、なかなか興味深いテーマの本です。

知能指数は生まれた瞬間に決定してしまうものではなく、環境や親の育て方によって変化していくものだということは知っていたが、人類全体の知能指数が上がり続けているというのは知らなかった。なぜそんな現象が起きているのか?教育が良くなったからだろうか。それが知りたくて、この本を手にした。……続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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