今月の1位は、ポアロシリーズで有名なアガサ・クリスティの『春にして君を離れ』 (早川書房)
本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2022年3月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2022年3月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)
1位
書籍:『春にして君を離れ』
(アガサ・クリスティー/早川書房)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:35
書評掲載日:2022-03-10 07:04:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/6650/review/272877/
狂気を孕んだ砂漠は物語の中に置いてきたはず。
ジョーンは、愛する夫とともに幸福な家庭を作り、三人の子どもを育て上げた。友人に親切だったし、地域の奉仕活動も率先して行ってきた。
これまでの自分の暮らしに満足し、築きあげてきたものに自信をもっていた。
だけど、本当にそうだったのか。
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2位
書籍:『おだんごぱん―ロシアの昔話』
(わきたかず、せたていじ/福音館書店)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:30
書評掲載日:2022-03-23 05:22:21
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/77704/review/273549/
おだんぱんって、どんなパン? 祝 #福音館70周年
" むかし むかし、ひとりの おじいさんが、なにかおいしいものがたべたくなって、おばあさんに いいました。
「ばあさんや、ひとつ、おだんごぱんを つくってくれないか」
すると、おばあさんが いいました。
「でも、なんで こしらえるんですかね。うちにゃ、こむぎこが ありませんよ」
「あるとも、あるとも。こなばこを ごしごし ひっかいて、こなを あつめりゃ、どっさりあるさ」"
こんな書き出しではじまるこの本は、1966年に瀬田貞二さんの訳と脇田和さんの絵で出版されたロシアの物語です。
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2位
書籍:『飛田ホテル』
(黒岩重吾/筑摩書房)
レビュアー:darklyさん 得票数:30
書評掲載日:2022-03-08 20:21:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/262189/review/273416/
昭和の関西の貧民街を舞台にした男女の愛憎ミステリと一括りにすると本書の魅力は伝わらない。所謂典型的な場末人情物ではない。
なんとなく目について手にした一冊。昭和の関西の貧民街を舞台に日の当たらない人生を送っている男と女の6つの愛憎ミステリと一括りにしても間違いではありませんが、私が受けた印象はそれぞれの物語でかなり違っています。
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4位
書籍:『飛ぶ夢をしばらく見ない』
(山田太一/新潮社)
レビュアー:三太郎さん 得票数:29
書評掲載日:2022-03-04 12:17:44
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/199304/review/273207/
主人公の男が病院で同室になった女性と退院後に再会しますが、会うごとに彼女は若返っていき、最後には・・・世にも不思議なお話。
しばらく前にレビューした佐藤正午の月の満ち欠けが映画化されたらしい。実はそのレビューのコメントで脳裏雪さんに山田太一著「飛ぶ夢をしばらく見ない」を紹介して頂いた。今では紙媒体では中古でしか入手できない。読んでみるとこれは似ているようでまるで違う物語だった。
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5位
書籍:『桂離宮に学ぶ 敷石と飛石の極意』
(豊藏均/講談社)
レビュアー:休蔵さん 得票数:28
書評掲載日:2022-03-22 07:26:00
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/305766/review/273664/
庭園委はさまあまな楽しみ方があると思います。本書は敷石と飛石に注目した1冊です。
日本列島各地に庭園があり、なんとなく「日本庭園」とひとくくりにされる。
しかしながら、なんとなく大きくくくった共通性みたいなものがありながらも、さまざまな相違点を持つ。
大くくりの共通性みたいなものには、植栽があり、池があり、岩石類がある。
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5位
書籍:『おとなが学ぶ 京都の大学活用ガイド』
(淡交社編集局/淡交社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:28
書評掲載日:2022-03-04 08:27:16
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/305535/review/273235/
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7位
書籍:『なぜあらそうの?』
(ニコライポポフ、Popov,Nikolai/BL出版)
レビュアー:oldmanさん 得票数:26
書評掲載日:2022-03-06 10:43:06
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/305351/review/273332/
絵本を読むことがこんなに辛いとは……
かもめ通信さんの書評を読んで読みたくなりました。
他の方が書かれているように、この絵本には文字が有りません。
ひたすら、カエルとネズミが争う姿を描いていきます。
初めは一匹のカエルと一匹のネズミの花を巡る争いがどんどんエスカレートしていきます。
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7位
書籍:『U』
(皆川博子/文藝春秋)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:26
書評掲載日:2022-03-18 21:33:22
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/258780/review/273849/
戦争、つかのまの平和、また戦争…… 人類の歴史は戦争の歴史だ。
1613年、二人は出会った。
シュテファン・ヘルクとヤノーシュ・ファルカーシュ。
二人とも13歳。
シュテファンはザクセン人、交易で財を成し印刷業も営む由緒ある家の子弟。
ヤノーシュは、ハンガリーの貴族の子弟。
二人が出会ったのは、駄馬に牽かれた荷車の上だった。
荷車は、オスマン帝国の奴隷兵士にされる少年たちを乗せ、首都に向かう。
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9位
書籍:『猫は知っていた―仁木兄妹の事件簿』
(仁木悦子/ポプラ社)
レビュアー:hackerさん 得票数:26
書評掲載日:2022-03-12 20:20:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/54956/review/273448/
「かもいに届くような身長」の兄の雄太郎と「おかめどんぐりみたいな、ずんぐりむっくりの体」の妹の悦子、仁木兄妹が探偵役として活躍する、仁木悦子の江戸川乱歩賞をとったミステリー・デビュー作です。
1957年に刊行された本書は、その年より公募制となった江戸川乱歩賞受賞ということもあり、江戸川乱歩が作者のことを「日本のアガサ・クリスティ」と呼んだこともあり、作者の仁木悦子(1928-1986)が寝たきりで学校教育を受けずに、兄から勉強を習った若い女性ということもあって、発表当時は大変評判となった作品だそうです。
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9位
書籍:『本当は怖い京ことば』
(大淵幸治/リベラル社)
レビュアー:noelさん 得票数:26
書評掲載日:2022-03-18 17:17:05
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/304194/review/273737/
「京ことば」は、『階層社会を生き抜く言語技術』を高度に洗練させたものである。
常々著者に私淑するファンの一員であると公言する身として、これは応募せずばなるまいと応募してみはしたのだが、まさか本当に当たるとは思っていなかった。むしろ、当たらないのを見越したうえで、oldmanさんに願いを託したのだったが、果たしてoldmanさんのほうはどうだったのだろうか。
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