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monthly bookreview ranking

今月の1位は、余命間近の老夫婦が破天荒な旅に出る『旅の終わりに (海外文学セレクション)』(東京創元社)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2022年1月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2022年1月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
旅の終わりに (海外文学セレクション)
書籍:旅の終わりに (海外文学セレクション)
(マイケル・ザドゥリアン/東京創元社)
レビュアー:yukoさん 得票数:39
書評掲載日:2022-01-10 16:34:29
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/259098/review/270954/

こんなにも楽しく愉快に人生のしまい方ができるといいのだけれど、それには相棒が必要なのかしらね・・・

認知症を患う夫ジョンと、末期ガンでもう全身ありとあらゆる病を抱えたエラ。

認知症で危ないからと、父親の運転免許証を取り上げようとした子供たちも無視。
ありとあらゆる延命措置を取ろうとする主治医も無視。
老夫婦の二人は、ディズニーランドを目指し、ルート66でアメリカ横断の旅に。

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2位
円 劉慈欣短篇集
書籍:円 劉慈欣短篇集
(劉慈欣、富安健一郎、大森望、泊功、齊藤正高/早川書房)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:36
書評掲載日:2022-01-24 05:16:06
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/302774/review/271232/

長年SFには苦手意識を持ち続けてきた私だけれど、中国SFとは相性がいい気がしてきた。

はじめて読んだ劉慈欣作品は、ケン・リュウが編んだアンソロジー 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』に収録された「円」だった。

この作品を初めて読んだときの私の感想は
"秦の始皇帝指揮下3百万の軍隊を用いた驚異の人間計算機の顛末が語られる「円」は、ケン・リュウの翻訳で翻訳長編としては初めてヒューゴー賞を受賞したという『三体』から抜粋した章の改作だというのだが……いやいやこれは、全部読みたい!"
というものだったが、実を言うと『三体』、未だ手つかずだ。

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3位
零の晩夏 (文春e-book)【Kindle】
書籍:零の晩夏 (文春e-book)【Kindle】
(岩井俊二/文藝春秋)
レビュアー:darklyさん 得票数:33
書評掲載日:2022-01-24 20:26:51
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/300956/review/271708/

表面上は絵画ミステリーのようだが、そこに練りこまれた人間ドラマのほうが一筋縄ではいかない。

本書は映画監督の岩井俊二さんが書いた小説です。本屋でなんとなく見つけて、岩井さんは小説も書くのかと思い手に取りました。特に岩井監督の大ファンというわけではないものの「Love Letter」や「スワロウテイル」などいつまでも印象に残り続ける映画を創る人だと思っており、カルト的要素を持った監督と認識しております。…続きを読む

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4位
どんぐり喰い (福音館の単行本)
書籍:どんぐり喰い (福音館の単行本)
(エルス・ペルフロム、野坂悦子/福音館書店)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:32
書評掲載日:2022-01-17 09:46:13
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/304132/review/270986/

「どんぐり喰い」とは、金持ちの連中に言わせれば、豚に食べさせるどんぐり(食用のどんぐり)まで食べる「あわれな連中」のことである。

「どんぐり喰い」とは、金持ちの連中に言わせれば、豚に食べさせるどんぐり(食用のどんぐり)まで食べる「あわれな連中」のことである。
フランコ独裁政権下のスペイン、アンダルシアの山村に暮らすクロは、「あわれな連中」の一人、ということになる。
村のほとんどの人たちは、山の上の修道院の仕事をして、わずかばかりの賃金を得ているが、それではとても食べてはいけないのだ。…続きを読む

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5位
子宮頸がんワクチン問題――社会・法・科学
書籍:子宮頸がんワクチン問題――社会・法・科学
(メアリー・ホーランド、キム・M・ローゼンバーグ、アイリーン・イオリオ、別府宏圀/みすず書房)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:31
書評掲載日:2022-01-29 15:32:27
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/304700/review/271890/

その時、少女たちに何が起きたのか

子宮頸がんワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防止する目的のワクチンである。HPVには100種類以上の型があるが、その一部(少なくとも13の型)は子宮頸がんを引き起こすことが知られている。HPV感染は主に性交渉によるものである。性交渉を始める前の若年齢のうちに、HPV感染を防げば、後に子宮頸がんになる芽を摘めるだろうという発想で開発されたのが子宮頸がんワクチンである。
このある種、画期的なワクチンは、広く各国で採用され、大規模な接種が行われた。…続きを読む

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6位

書籍:火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者
(オリヴァーサックス/早川書房)
レビュアー:三太郎さん 得票数:30
書評掲載日:2022-01-16 00:32:20
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/16046/review/271194/

様々な障がいをもつ7人の人生の物語。僕には最後のアスペルガーの女性研究者の話が特に印象的でした。

脳神経学者のオリバー・サックス博士が1995年に発表した、主に神経に障碍を負った7人の患者の物語。

第一話 盲目の画家

成功した画家だった彼は65歳の時交通事故をきっかけに色の感覚を失った。視神経には異常がなく、すべての波長の色を感知しているのに、物の色が分からなくなった。

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7位
ひと
書籍:ひと
(小野寺史宜/祥伝社)
レビュアー:ことなみさん 得票数:29
書評掲載日:2022-01-10 06:28:43
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/277628/review/271137/

2022年。ベストセラーで幕開け。20歳で両親を亡くした柏木聖輔、母が勧めてくれた東京の大学を中退して職探しを始める。彼はめげない、輝く向日性は周りを暖かく明るく照らす。

料理人の父は東京で修業して、母の郷里鳥取に戻って店を始めた。店はうまくいってなかった。運転する車が猫をよけて電柱にぶつかって父は亡くなってしまった。下りた保険金は店の借金で消えた。母は大学の食堂で働き始めていた。郷里からの突然の訃報に驚いて帰省したが母の死に目には間に合わなかった。鳥取大の木のベンチで項垂れて泣いた。
聖輔は母の勧めで東京の大学に進んでいた。軽音でベースを弾いていたがもう続けていけなくなった、退学と同時にやめた。…続きを読む

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7位
グレート・ギャツビー
書籍:グレート・ギャツビー
(スコットフィッツジェラルド、村上春樹/中央公論新社)
レビュアー:たけぞうさん 得票数:29
書評掲載日:2022-01-03 12:59:40
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/13130/review/270515/

読み通せて嬉しく思った。

最近、たいていの小説を読めるようになりましたが、読書歴の浅いころは挫折した本があります。
グレート・ギャツビーはそのうちの一冊で、ようやく読み通せて嬉しく思いました。…続きを読む

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7位
無名作家の日記【Kindle】
書籍:無名作家の日記【Kindle】
(菊池寛/)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:29
書評掲載日:2022-01-11 09:02:06
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/304230/review/271189/

菊池寛は、芥川龍之介より四歳年上だが、第一高等学校の同期生。わけあって東京帝大ではなく京都帝大に進んだ。そのころの失意の日々を、おもしろおかしく綴った日記形式の小説。

菊池寛は、1888年生まれ。芥川龍之介よりも四歳年長である。ちょっと回り道をしたので、第一高等学校では、芥川と同期になった。ふたりは、親友となる。菊池は、ある事件がきっかけで、東大へは進まず、京都帝大の学生となる。そのころの失意の日々を、日記形式で、おもしろおかしく書いた小説である。…続きを読む

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10位
日本のいきものビジュアルガイド はっけん! オオサンショウウオ
書籍:日本のいきものビジュアルガイド はっけん! オオサンショウウオ
(AZRelief、桑原一司、AZRelief、桑原一司、関慎太郎/緑書房)
レビュアー:休蔵さん 得票数:28
書評掲載日:2022-01-17 07:00:50
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/303398/review/269772/

文化財保護法で特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオの生態を豊富な写真と平易な解説で教えてくれる1冊。自然界で出会ったら、ビビるだろうな。

 水族館でなら見たことがあるオオサンショウウオ。
 自然界で目撃することなんて考えられない。
 もっとも絶滅危惧種であり、複数の法律で保護されているから、うっかり目撃することなんてありえないんだろうけど。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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