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monthly bookreview ranking

今月の1位は、本がつなぐ少年少女の成長物語『万葉と沙羅』(文藝春秋)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2021年12月の月間人気書評ランキングを発表します。 (同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2021年12月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
万葉と沙羅
書籍:万葉と沙羅
(中江有里/文藝春秋)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:39
書評掲載日:2021-12-22 05:50:49
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303421/review/270175/

「個性は本の選び方じゃなく、読んだ感想に出る」そうなんだよね。読んだはしからレビューを書き始める私など、ある意味日記を公開するより赤裸々かも!?

タイトルだけでは内容を推し量ることはできないが、装丁からどうやら本か本屋をテーマにした話だろうと推測して手に取ってみたYA小説。
同年代より1年遅れて都立の単位制の通信制高校に入学した少女、沙羅は、幼い頃に隣に住んでいて仲良しだった少年、万葉と再会する。
はじめのうちこそ、沙羅を無視するかのような態度を取っていた万葉だったが、それぞれが抱える事情を知るにつけ、急速に接近する。改めて二人の縁をつないだのは、万葉がいつも読んでいる本だった。…続きを読む

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2位
アイヌ通史: 「蝦夷」から先住民族へ
書籍:アイヌ通史: 「蝦夷」から先住民族へ
(リチャード・シドル、マーク・ウィンチェスター/岩波書店)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:35
書評掲載日:2021-12-08 22:12:03
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303576/review/270032/

1つの民族が蹂躙される過程

アイヌ文化の本を何冊か読んでいて、全体としてのアイヌ民族の歴史はどうなっているのか、興味がわいた。何せ、門外漢なので、この本が手始めとして適切なのかどうかもよくわからなかったのだが、ともあれ、タイトルでピックアップして読んでみた。 イメージしたのは、日本史なら飛鳥、奈良、平安、鎌倉・・・のような流れだが、その出発点がそもそも間違っていたのかもしれない。中央集権的な「国家」を作るのがアイヌの在り方ではなかったのかもしれないし、あるいは、文字を持たない民族であり、歴史を体系的に記録して残す術がそもそもなかったということかもしれない。…続きを読む

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3位
戦争と児童文学
書籍:戦争と児童文学
(繁内理恵/みすず書房)
レビュアー:ぱせりさん 得票数:33
書評掲載日:2021-12-16 09:43:55
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/302607/review/270203/

雑誌『みすず』連載中にも、その深く豊かな内容に圧倒されっぱなしだったけれど、さらに研ぎ澄まされた一冊。児童文学は戦争をどのように語ってきたのか。

雑誌『みすず』2018年4月号から2020年6月号まで12回に渡って連載した評論『戦争と児童文学』のうち十篇が、加筆・修正を加えて一冊の本になった。連載のときよりも、さらに広く深い世界に連れて行ってもらった気持ちだ。
戦争。国と国との闘い、内戦、紛争……さらには、一見平和な国の平和な町や家庭にやってくる戦争を描いた児童文学も、著者はとりあげていて、戦争は私自身にとっても、怖ろしいけれど、とても身近なものなのだ、ということを思い知らされてもいる。…続きを読む

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3位
人質の朗読会
書籍:人質の朗読会
(小川洋子/中央公論新社)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:33
書評掲載日:2021-12-07 13:45:59
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/216392/review/269974/

地球の裏側の山岳地帯で、日本人観光客を乗せたマイクロバスが、反政府ゲリラの襲撃を受け、拉致された。元猟師小屋に監禁された人質たちは、それぞれの人生のとっておきの物語を書き綴り、朗読しあった……

朗読された物語のあとには、その物語の作者の職業、性別、年齢、なぜこのツアーに参加したかが、さりげなく記されている。 女性四人に男性四人。職業は、主婦を含めさまざま。年代は、二十代から六十代まで。 語られた内容は、子ども時代の忘れがたい思い出や、大人になってからふと巡り合った日常のささいなできごと。…続きを読む

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5位
ウィトゲンシュタイン、最初の一歩
書籍:ウィトゲンシュタイン、最初の一歩
(中村昇/亜紀書房)
レビュアー:darklyさん 得票数:31
書評掲載日:2021-12-21 21:27:34
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303835/review/270436/

20世紀最大の哲学者と呼ばれるウィトゲンシュタインの思想が1冊の本で語りつくせるわけはないが、題名が示す通り最初に一歩としてはまさにうってつけの1冊である。

本書は、ウィトゲンシュタイン哲学を読み解く上での基本的な思想をキーワード毎に分かりやすく解説した本です。主なターゲットは中学生や高校生であるものの、色々読み漁ってはいても断片的な知識しか持たない私にはピッタリではなかろうかと手に取ってみました。哲学書を読む難しさはなんといってもその言葉の解釈です。…続きを読む

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6位
父という余分なもの: サルに探る文明の起源
書籍:父という余分なもの: サルに探る文明の起源
(山極寿一/新潮社)
レビュアー:三太郎さん 得票数:30
書評掲載日:2021-12-11 19:21:55
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303490/review/269878/

全然ちがうようで、どこか人間的なゴリラの生きざまについて。

後に京都大学総長を務めた霊長類学者の山極さんが1997年に書いた本の文庫版です。実は読み終わった今でも、タイトルの「父という余分なもの」という言葉の意味を正確には掴みかねているのですが。人間や類人猿に限らず、すべての動物には「生物学的な」父親は必要不可欠なので、ここでいう「父」とはもっと違うものでしょう。 …続きを読む

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7位
江戸問答
書籍:江戸問答
(田中優子、松岡正剛/岩波書店)
レビュアー:休蔵さん 得票数:28
書評掲載日:2021-12-20 07:12:40
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303754/review/270306/

法政大学の総長である田中優子と編集工学者の松岡正剛が、日本を題材にあれこれ交わした問答集の第二弾。多角的な問答のなかで、「学び」について考えることになった。

法政大学の総長、田中優子と編集工学者の松岡正剛が、日本を題材にあれこれ交わした問答集の第二弾目。日本について論じ合った『日本問答』の次は、江戸時代を対象とする。 問答のなかでいくつか気になる点があったが、今回は特に学ぶということをピックアップしたい。…続きを読む

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7位
翼竜館の宝石商人
書籍:翼竜館の宝石商人
(高野史緒/講談社)
レビュアー:羊男さん 得票数:28
書評掲載日:2021-12-26 09:25:31
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/270731/review/270611/

17世紀オランダの暗く湿ったゴシックワールドが堪能できる変格ミステリ

17世紀オランダを舞台に、商人や医者と画家といった登場人物たちの間でおこる二重密室劇。本格的なミステリというよりも、日本独特の変格ミステリといった様相。しかし、日本人は出てきません。…続きを読む

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7位
種の起源
書籍:種の起源
(チョン・ユジョン/早川書房)
レビュアー:ことなみさん 得票数:28
書評掲載日:2021-12-18 13:00:29
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/278002/review/270329/

ハン・ユジンの悪の種はこうして育っていった。よく練られた、サイコミステリ。

重い軽いはあっても心に善と悪のふたつを持っているのが人間だろう。物心ついた時にはそれが混然一体になった人間性が出来上がっている。生きるために。それは一面、他人を理解し人生の深みを感じ取る大きな要素になっていると思う。その二つがよりよく折り合っているなら人としてなんの不具合もない。…続きを読む

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7位
ホハレ峠;ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡
書籍:ホハレ峠;ダムに沈んだ徳山村 百年の軌跡
(大西暢夫/彩流社)
レビュアー:hackerさん 得票数:28
書評掲載日:2021-12-16 11:02:26
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/303072/review/270245/

福島原発を世界遺産にしようという動きが福島県にあることを、大都市に住む人たちは、どのくらい知っているのでしょうか。

ぱせりさんの書評で、この本のことを知りました。感謝いたします。
「日本最大のダムに沈んだ 岐阜県徳山村 最奥の集落に 一人、暮らし続けた女性」と本書の帯にありますが、廣瀬ゆきえさんという女性と徳山村の百年の軌跡を描いた本書の内容に関しては、最近このパターンが多いですが、内容を実にうまくまとめてある、ぱせりさんの書評を是非ご覧ください。私は、ぱせりさんの書評の補足のような形で、本書を通じて感じたことを述べさせてもらいます。…続きを読む

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7位
素敵な日本人 東野圭吾短編集
書籍:素敵な日本人 東野圭吾短編集
(東野圭吾/光文社)
レビュアー:三毛ネコさん 得票数:28
書評掲載日:2021-12-11 15:44:30
書評URL:https://www.honzuki.jp/book/246539/review/270120/

東野さんの短編集です。

短編集である。
・正月の決意 正月を迎えた達之と康代の夫婦。近所の神社に初詣に行くと、町長が下着姿で倒れていた。警察が身柄を預かり、意識は戻ったのだが一時的に記憶喪失になっており、しかも頭を殴られて頭の骨にひびが入っているという。殺人未遂ということで、本格的に捜査が始まる。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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