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monthly bookreview ranking

今月の1位は、本屋界隈を賑わせている話題の一冊『私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(太郎次郎社エディタス)

本好きが集い、書評を投稿する読書コミュニティ「本が好き!」の 2020年1月の月間人気書評ランキングを発表します。
(同じレビュアーさんが違う書評でランクインしていた場合はより上位の書評のみを掲載しています。つまり2020年1月で、投票数が上位だった10人の書評が掲載されています)

1位
私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏
書籍:私は本屋が好きでした──あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏
(永江朗/太郎次郎社エディタス)
レビュアー:かもめ通信さん 得票数:42
書評掲載日:2020-01-23 11:16:50
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/284167/review/239610/

発売以来、賛否両論激しい議論が巻き起こり、本屋界隈を賑わせている話題の本を読んでみた。
私が足繁く通っている本屋さんは
古い建物を取り壊した後の空き地や、シャッターが閉まったままの店舗が
年々目立つようになってきた商店街の中にある小さなお店だ。

近所にあった文房具店が閉店してからというもの、
売り場に占める文房具の割合がだんだんと増えてきている。
教科書販売も手がけていて、辞書や参考書のコーナーもあるので
一般書籍の売り場面積は決して大きくはない。
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2位
日本庭園の歴史と文化
書籍:日本庭園の歴史と文化
(小野健吉/吉川弘文館)
レビュアー:休蔵さん 得票数:37
書評掲載日:2020-01-13 07:47:38
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/284728/review/238765/

日本庭園の歴史を知るために最適な1冊。なんとなく眺めていた日本庭園の底流を理解することができる気がする。
国内観光の目的地の1つとして、著名な日本庭園を選択することがある。
日本庭園と言えば、鯉が泳ぐ池があって、松が植えられており、芝生の間を遊歩道が通るイメージがある。
あるいは、水を白い玉砂利で表現し、奇岩で雰囲気を引き立てた枯山水も思い浮かぶ。 しかしながら、日本庭園のイメージを醸造してきた歴史的背景については、恐ろしいほど無知であった。
そこで、本書を手にしてみた。…続きを読む

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3位
スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝
書籍:スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝
(デイヴィッド・マイケリス/亜紀書房)
レビュアー:Wings to flyさん 得票数:36
書評掲載日:2020-01-06 12:06:28
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/283033/review/237678/

孤独と劣等感を糧に、アメリカのシンボルを生みだした芸術家の生涯。
世界の人気キャラクター、チャーリー・ブラウンとスヌーピーと仲間たちは、新聞漫画『ピーナッツ』の登場人物である。その作品は、世界の識字者人口の5%に読まれ、テレビアニメの特番で25年間にのべ44億人に視聴された。本書は、「地球上で最も知られた漫画」を生みだしたチャールズ・シュルツの評伝である。

『ピーナッツ』は、子どもの日常の何気ない出来事を描いていて、思わずクスッと笑ってしまう。「ちびっこと冗談に溢れて」いて、ささやかな面白さと優しさと、子どもの残酷さが共存している稀有な作品だと本書にもある。…続きを読む

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4位
翡翠城市(ひすいじょうし)
書籍:翡翠城市(ひすいじょうし)
(フォンダリー/早川書房)
レビュアー:darklyさん 得票数:35
書評掲載日:2020-01-20 21:57:14
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/284125/review/239908/

どこかで読んだことがあるような設定が多く決してアイデアで勝負の作品ではない。しかしリアルさとバランスがとても良くこれからの伸びしろが大きい作品のような気がする。
ケコン島で採掘される翡翠の力は特別だ。翡翠を身に着けその力を制御できれば人間の能力を超えた感覚、フィジカル能力、超能力を身に着けることができる。しかしすべての人が翡翠の力を制御できるわけではない。人種や体質によって受け付けない者もいるし、厳しい訓練も必要だ。翡翠の制御できない者が翡翠を身に着ければ命を落とすことになる。…続きを読む

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5位
水曜日の凱歌
書籍:水曜日の凱歌
(乃南アサ/新潮社)
レビュアー:ぽんきちさん 得票数:34
書評掲載日:2020-01-01 23:25:07
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/279838/review/239113/

女たちを前へと突き動かすのは「怒り」なのか
1945年8月15日、日本にとっての第二次世界大戦は幕を下ろす。
しかし、単純に、「戦争が終わった=平和が戻る」ではなかった。
敗戦国・日本には占領軍がやってくる。物資は不足している。戦争で失われた人材も数知れぬ。
人々は「戦後」がどうなるのかをはっきりとは描けぬまま、見えない新時代へと、いわば、ハードランディングせねばならなかった。

そうした中で、国策として設立された施設があった。…続きを読む

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6位
熱い読書冷たい読書
書籍:熱い読書冷たい読書
(辻原登/マガジンハウス)
レビュアー:ことなみさん 得票数:32
書評掲載日:2020-01-21 17:01:10
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/109957/review/239942/

本好きは、自分の好きな本を大好きと言ってくれる人に会うと「でしょう、ねっ!そうでしょう」と肩をたたきあって、瞬間、本友になる。そんな一冊。
ここには79冊の本が紹介されている。その79の本にまつわるエッセイを集めたもので、2000年のものが一番新しい。だから今読むと少し時代をさかのぼるけれど、読んでいるうちに、時の境があいまいになり、いい本はいいのだと感動が蘇る。そう、そうなんだと。 …続きを読む

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7位
黄金列車
書籍:黄金列車
(佐藤亜紀/KADOKAWA)
レビュアー:Yasuhiroさん 得票数:32
書評掲載日:2020-01-03 12:00:59
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/283083/review/239125/

第二次世界大戦末期混乱のハンガリーで起きた「黄金列車」事件をもとにした佐藤亜紀流オペレッタ。率直なところあまり面白くはない。
2020年あけましておめでとうごさいます。思い起こせば、去年の今頃は佐藤亜紀の作品群に没頭していました。その最新刊を年初に持ってこれるのは大変うれしいことで、満を持して読みました。

「吸血鬼」でヨーロッパの落日を描き切り、一転して「スウィングしなけりゃ意味がない」ではナチスドイツの崩壊を軽みとユーモアを以て活写し、一体次はどんな新境地を見せてくれるだろう、とワクワクしていたのですが、、、…続きを読む

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8位
おもい おもわれ ふり ふられ
書籍:おもい おもわれ ふり ふられ
(堀川アサコ/徳間書店)
レビュアー:波津雪希さん 得票数:29
書評掲載日:2020-01-07 00:11:11
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/285029/review/239344/

他の業種から神社の巫女になって女性の話。
 『思い、思われ、振り、振られ』と聞くと
ニキビのことを思い出してしまいますが
『おもいおもわれふりふられ』は青春ものではなく
社会人として過ごしてきた人が
理不尽な待遇や神の導きによって
神社の巫女となった話でした。
なので、本書にはニキビの迷信は登場しません。…続きを読む

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8位
謎のカラスを追う―頭骨とDNAが語るカラス10万年史
書籍:謎のカラスを追う―頭骨とDNAが語るカラス10万年史
(中村純夫/築地書館)
レビュアー:紅い芥子粒さん 得票数:29
書評掲載日:2020-01-06 13:30:26
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/284992/review/239327/

ジャポネンシスとマンジュリカス。ハシブトガラスの二つの亜種の交雑帯を求めて、著者は、カラフトへと旅立った。人間の飽くなき好奇心と罪深さ。そして科学の発達。おもしろく、考えさせられる本だった。
日本列島には、ハシブトカラスとハシボソカラスの二種が生息しているという。
ハシボソガラスは、田園地帯のような開けた場所を好み、ガアと濁った声で鳴く。
ハシブトカラスは、森林や高層ビルが林立する大都会の都心で繁殖し、カアと澄んだ声で鳴く。

この本でいう「謎のカラス」とは、ハシブトカラスのことである。…続きを読む

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8位
生命の歴史は繰り返すのか?ー進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む
書籍:生命の歴史は繰り返すのか?ー進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む
(JonathanB.Losos/化学同人)
レビュアー:ゆうちゃんさん 得票数:29
書評掲載日:2020-01-04 17:41:19
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/279725/review/238388/

地球の歴史をもう一回やり直したら、人間はやはり発生するのだろうか?進化生物学者S・J・グールドのこの問いかけに正面から答えた本。系統が異なる生物でも、環境により似た体形や機能を持つ場合が多々あるが・・
朝日新聞の書評欄で知った本。 本書は、進化は偶発性に大きく依存すると言う進化生物学の巨人スティーブン・J・グールドの学説(主として彼の著作「ワンダフルライフ」からの引用)と進化は繰り返すと言うコンウェイ=モリスの学説を引用しながら、両者を比較検討する本である。…続きを読む

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8位
ふるさとって呼んでもいいですか: 6歳で「移民」になった私の物語
書籍:ふるさとって呼んでもいいですか: 6歳で「移民」になった私の物語
(ナディ/大月書店)
レビュアー:oldmanさん 得票数:29
書評掲載日:2020-01-01 00:21:39
書評URL:http://www.honzuki.jp/book/279306/review/238720/

日本人てなんなのですか?
図書館・かもめ通信さんの書評をみて、娘に確認(最近は僕のYA以下の本のアドバイザーなので……)すると
「凄く良い本だよ!」との返事。
ということで読んでみました。

今まで読んだこの問題を扱った本の殆どは日本人が書いていました。
今回移民であるナディさんの話が読んだ事でまた一つ学ぶことが出来ました。…続きを読む

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  1. 365bookdays編集部

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