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興味深々、韓国文学 2019年夏に読みたいとなりのくにの物語7選

2019年7月10日、ネットで流れてきた文芸誌『文藝』の増刷のニュースは、 近年の韓国文学の盛り上がりを象徴する出来事といえるのではないだろうか。特集内容は【特集 韓国・フェミニズム・日本】。

韓国文学に馴染みのない人でも装丁に見覚えがあるであろう『82年生まれ、キム・ジヨン』は本国では100万部を突破したベストセラー。社内でもずっと話題になっていた。精力的に韓国文学を紹介する翻訳者のメディア露出、出版社によるシリーズの創刊、韓国文学を対象にしたコンテストが名称を新たにするなど、韓国文学の勢いはまだまだ続きそうな予感。

そこでこの夏読んでおきたい、韓国文学を7タイトルご紹介します。

 

この夏読むべき韓国文学7選

 

この本を読まない理由はない!韓国文学ブームのけん引役

82年生まれ、キム・ジヨン

書籍:82年生まれ、キム・ジヨン
(チョ・ナムジュ, 斎藤真理子 (翻訳) / 筑摩書房)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/272226/  

物語そのものには救いはない。それでも、この物語を自分のものとして受け止める多くの読者がいることに救いを見いだす。(かもめ通信さん)

ある病院を取り巻く、約50人の群像劇

フィフティ・ピープル(となりの国のものがたり)

書籍:フィフティ・ピープル(となりの国のものがたり)
(チョン・セラン, 斎藤真理子 (翻訳) / 亜紀書房)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/270616/  

この本のなかには、たくさんの人々が住んでいる。たくさんの人々がすれ違ったり、出会ったり、別れていく。読んでいると、この本一冊が、一つの町なのだ、と思えてくる。(ぱせりさん)

第1回日本翻訳大賞受賞作である韓国文学の短編集

カステラ

書籍:カステラ
(パク ミンギュ (著), ヒョン ジェフン (翻訳), 斎藤 真理子 (翻訳) / クレイン)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/224984/  

今年創設された「日本翻訳大賞」の記念すべき第1回大賞を受賞したのが、パク・ミンギュ「カステラ」であったことは、「日本翻訳大賞」という文学賞のスタートとしては、最高の選択だったのではないだろうか。(タカラ~ムさん)

ブッカー国際賞を受賞。世界が認めた韓国文学。

菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)

書籍:菜食主義者 (新しい韓国の文学 1)
(ハン・ガン, きむ ふな (翻訳) / クオン)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/181201/  

植物が、ふりかかる暴力を静かに見つめる。ヨンヘは、めだたない女だった。 その彼女がある日突然に肉を一切食べなくなってしまう。動物性のものを拒否して、極端に痩せていく。 やがて、彼女は、すっかり食を断ち、木になろうとする。 その姿は鬼気迫るようだ。 それを見守る(?)夫、義兄、姉を、それぞれ語り手にした連作三編。(ぱせりさん)

1970年生まれ。現代小説の人気作家ハン・ガン

すべての、白いものたちの

書籍:すべての、白いものたちの
(ハン・ガン, 斎藤真理子 (翻訳)/筑摩書房)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/273693/  

生と死のあわいの白きひかりを詠う、物語でなく散文詩。 丁寧につくられた特別な本で、日本翻訳大賞の最終候補に残ったのも頷ける。(ぴょんはまさん)

書評家・三宅香帆さんが『82年生まれ、キム・ジヨン』の次におすすめする一冊

野蛮なアリスさん

書籍:野蛮なアリスさん
(ファン・ジョンウン, 斎藤真理子 (翻訳)/河出書房新社)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/263415/  

韓国文学に興味をもった方はこちらをぜひ。女装ホームレスの主人公が語る、韓国のある街の腐敗と悲劇について。ひりひりとした痛みが残るけれど、それも文学のなせる技だ。(三宅香帆さん)

抒情詩のような7つのショートストーリー

春の宵

書籍:春の宵
(クォン・ヨソン, 橋本 智保 (翻訳)/書肆侃侃房)
レビューを読む:https://www.honzuki.jp/book/265497/  

淡く儚い春の宵の中、それぞれの哀しみを抱え飲む人達。渇いた絶望が切なくも美しい。(吉田あやさん)

つまるところ「生きづらさ」とはわかりやすく、安易な選択に流されず、ヒリヒリとした痛みを伴いながらも、自らの道を貫こうとする強さでもあるように感じます。日本の小説とは違う、でもどこか肌感覚で理解できるところもある。似ているようでまるで似ていないとなりの国の文学の扉をぜひ開いてみてください。

 

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